BenQ:はじめまして。本日は事前にお試しいただいた4K HDR対応のデザイナーディスプレイ「PD2700U」について、色々とお話を聞かせてください。
キリカ:よろしくお願いします。ハンドルネーム「キリカ」と申します。
BenQ:実は既製品のPD2700Qもお試しいただいていたとか…
キリカ:そうなんです。でも正直なところとして、強く「買いたい!」と思ったのは圧倒的に今回の「PD2700U」ですね。
BenQ:なるほど。その辺りを詳しく教えていただければと思います。
キリカ:わかりました。
UIまわりの設計には、4Kディスプレイが必須である
BenQ:さて、本日はご自宅にお邪魔していますが、普段はどんなお仕事をどちらでされているのでしょうか?
キリカ:スマホを中心としたUI周りの設計が主な仕事になりまして、必要に応じてフロントエンドのコーディングやWebデザインも行っています。普段は都内のオフィスで仕事をしていますが、自宅作業が認められているため、こうして自宅にも会社と同じレベルの環境を構築しています。
BenQ:UI周りとなると、特に細かい部分の設計や確認などが重要になりそうですね。今回はご自宅の取材ということで、自宅で作業をされる際の環境について教えてください。
キリカ:最新ではありませんが、5KモデルのiMacにメモリを増設してメインマシンとしています。あとは拡張として27インチの4K対応ディスプレイですね。場合によってはディスプレイを2枚増設して、3画面で作業を行う場合もあります。仕事柄、スマホの画面解像度に合わせて設計を行うには、4Kでの表示が必須となっています。
キリカ:今回はいつもの4K対応ディスプレイを、同じく4K対応でHDR表示も可能な「PD2700U」に置きかえて、1ヶ月ほどお試しをさせてもらいました。
BenQ:高精細なRetinaディスプレイや最新型スマホの画面を設計するには、同程度の表示を実現できる高解像度のディスプレイが必要なんですね。
集中力の高まる仕様。デザイン作業にうってつけのPD2700U
BenQ:業務に関する機器の選定にも高い条件が求められそうですが、どういった点にこだわりを持たれていますか?
キリカ:前述のとおり高解像度は当然として、とにかく作業の足を引っ張ることのない、高スペックなものを選ぶようにしています。例えば画面の拡張やマルチデザインのアプリなどでメモリを大量に消費するため、PCにはとにかくメモリをたくさん積むようにしています。画面についてはサイズと解像度の組みあわせによっては作業がしにくくなるんですが、今のところ4Kで27インチという仕様が最もしっくりきています。
BenQ:作業の邪魔にならない仕様、大事ですよね。些細なことでも毎日の積み重ねになるとずいぶんなストレスです。大きすぎず小さすぎず、27インチの4KはBenQ製品でも人気のあるスペックで、多くの方に高評価をいただいています。そんなちょうどいいサイズの「PD2700U」を使ってみての第一印象はいかがでしょうか?
キリカ:ベゼルの薄さが画面同士のつながりをシームレスにしているようで、複数画面を使ったデザイン作業をするときに、今までよりも集中できるようになりました。ベゼルって見ていないようでずっと見ているような存在なので、本製品のようにベゼルが薄かったり、光沢の無いマット塗装だったり、表示領域もノングレアになっている仕様は気が散らなくて素晴らしいですね。MST(マルチストリーム転送)機能などを見ても、そもそも複数ディスプレイ利用を前提としているような設計で、デザイナーの仕事のことをよく理解していると感心しました。
BenQ:UIデザイナーの方にそう言っていただけると嬉しいです。実は「映り込みが気になる」というユーザーの声を重要視し、ベゼルは映り込みの少ないダークグレーで塗装のうえ、光沢も抑えるようにしているんですよ。
もはやアームも不要。可能性を広げる様々な拡張機能
キリカ:そういえば台座もいいですね。普段は台座が気にいらずアーム接続で27インチのディスプレイを使っていたのですが、「PD2700U」は高さや首振り、チルトの調整から画面の90度回転までもが自由に行えるため、アームが不要になりました。まさにプロユースですよね。Macとのデザインのミスマッチもなくて、その辺りも良く設計されていると感じます。
BenQ:細かい部分にも気がついていただけてありがたいです。実際の映りや、HDR表示などについてはどうでしょうか?
キリカ:4Kについては申し分ない解像感です。HDRについては仕事においてはそこまで必要としていないのですが、自宅作業の環境では、これ1台でゲームディスプレイの用途も満たせるので、仕事とプライベートで兼用できる機器として有利だと思いました。同様な理由で複数のマシンをつなぐことのできるKVMスイッチも便利ですね。
複数端子の入力を並列表示できるPIP(Picture In Picture)/PBP(Picture By Picture)モードも便利ですね。4K解像度があるため、Full HDの映像ソースを2つ並べても(PBP)フル解像度で表示できるのがポイントだと感じました。とにかく、できることの幅が広がるというのはありがたいです。
コーディングにも写真編集にもマッチする多彩な用途
BenQ:DualView機能は使われましたか?
キリカ:1画面内で複数の表示モードを混在させることのできるDualView機能は、ウインドウを中央で2分割することのできるMac用の拡張アプリ「BetterTouchTool」との相性がいいですね。例えばコーディング側をCADモード、Web確認側をsRGBモードにしてみたり。この際、コーディング側やドキュメント側では色が調整されてもかまわないため、先進的なアイケアまわりの機能(ブルーライト軽減、ブライトネスインテリジェンス)の恩恵を受けることができるのもいいですよね。環境光に応じて自動的に表示を調整してくれる機能は、ノートパソコンやスマホでは当然になってきていますが、ディスプレイ単体では珍しい気がします。
そうそう、コーディングする立場からすれば、回転して縦置きにできるのがとても効果的でした。モニターアームもドライバも不要で縦表示できるのは手軽で重宝します。
BenQ:縦置きにできるのはBenQディスプレイの特徴のひとつでもあります。そういえばカメラもされるとのことですが、写真編集マシン向けのディスプレイとしてはいかがですか?
キリカ:4KなこととsRGB・Rec.709 100%カバーの色精度は、写真のレタッチにも有効でした。特に高解像度のおかげでピントの合っているポイントが一目瞭然のほか、暗い部分の色つぶれがないので、見落としがなくていいですね。現像の効率が上がっています。
デザイナーが必要とする要素を満たし、価格帯も妥当
BenQ:最後に、デザイナー向けディスプレイの導入を検討している方へのメッセージをお願いします!
キリカ:「PD2700U」は4K HDR対応、マルチディスプレイを前提とした仕様・設計で、デザイナーが必要とする要素をほぼ完璧に満たせています。実売も6万円前後とコストパフォーマンスも申し分ありません。バランスが良く、素直に良い製品と言えますね。会社でもこれを使いたいくらいです。
BenQ:ありがとうございました!
取材にお伺いして
実際の現場で必要とされるスペックについて、説得力を持って話していただきました。また設計側の意図した「ベゼルの薄さ・ノングレア仕様による作業のしやすさ」などがしっかりと伝わっていたことを、メーカーの人間としてとても嬉しく思いました。「集中できるディスプレイ」はそのままキャッチコピーに使いたいくらいです。
次回も現場からの声をリアルにお伝えいたしますので、お楽しみに♪